文化祭に行ってきました
文化の日だからといって何か高尚な感慨を抱くような人間でもないのですが、家人が文化系の会で趣味を楽しんでおり、このたび地元の文化祭にはじめて作品を出品するというので、その出来栄えを鑑賞するというひとつの目的をもって、地元(田舎)の文化祭に足を運びました。
会場は、ちょっと山の方の文化ホールです。
気持ちのよい秋晴れ。
先月の退院以来ひきこもり生活だったのですが、ぼちぼちリハビリもかねて、わたしが車を運転して行ってまいりました。
エントランスに入ると、目付きに茶会の受付があります。とても気になる。
気になるどころか、とても参加したい。
けれども、とりあえず家人の作品が飾られている展示室に向かいます。
作品とはなんだ、ということですが、いけ花です。華道。
昔、学生の頃に華道部でお花を習ったことがちらりとあるそうなのですが、最近になって何を思ったのか、地元のシニア中心の華道の会に入り、またお花を楽しんでいる様子。
で、その作品は。お花素人の私が見てもそれなりの体をなしているので、初心者にしてはそれなりでよいのではないでしょうか。(それなりってなんだ)
先生が用意してくださったお花はくじ引きで割り振られるそうで、もうこれは運の要素が大きい。
腕やセンスの甲乙もあるのでしょうが、そもそものお花自体の美しさやバランスもある。
そんな中で、それぞれの作品がそれぞれに美しく飾られており、お花と腕とが特にマッチした作品は、わたしのような素人目にも「おおっ」と目をみはる出来栄えであり、華道の世界も奥が深そうだ、と思うのでした。
ひとしきり写真を撮って鑑賞して満足した家人とともに、ほかの作品展も眺めてみました。
書道、写真、絵画、押し花、パッチワーク、短歌、俳句、人形、もろもろ。
みなさん、さまざまな文化活動にいそしんでおられます。
そんな中、ホールの廊下に「茶会→」と表示されている案内がとても気になります。
ひとまわりしたところで、またエントランスへ。
すると、茶道部が催している茶会の受付がちょうど終了したところでした。
勇気がなくて、いちばん最初に茶会に行かなかったことを激しく後悔、、、
そんなこんなで、今日のお散歩の分のかわりに1300歩くらいをかせいで、帰宅しました。
帰宅しても、どうにも気持ちがおさまらない。
お茶、お抹茶がいただきたかった。
だったら自分でお茶を点てるしかなかろう、ということで、パパッとお茶の用意を。
お盆点ての形式ですが、しばらく遠ざかっていたうちにすっかり忘れ去っていました。
それでも、エア帛紗をさばきながら、茶入れを清め、茶杓を清め、茶筅通しをして茶碗をあたため、抹茶を投入し(あ、濾すの忘れた!)、茶筅を振り、ちょっと点てすぎた感のお抹茶が点てられました。
そして、お抹茶を一服。
今日はお菓子はなしです。
気持ちが静まらないうちにバタバタと用意し、それも抹茶を濾すのを忘れたりなどして慌ただしく点てたお茶は、なんとなく、まろみに欠けるような気がしました。
雑念がまざっています。
今のわたしの気持ちみたいだな、とか思いながら。
でも、こうやって自分のためにお茶が点てられるようになったことだけは、お茶のお稽古の収穫だったと思います。
そのお茶のお稽古は、運び点前のあまりのハードさがわたしにはやはり無理だろうとの判断に至り、残念ながら断念することにしました。
お茶って、ただ正座してお茶をいただくだけではないのですよね。
そして、とても体力が要ります。
お客だけなら時々は遊びにうかがってもよいのかもしれませんが、人前での正式なお点前のお稽古はもうできないことがわかりました。
また、できないこと、諦めなければならないことが、ひとつ増えました。
でも、自分のためにお茶を点てることはできる。
誰が言っていたのか忘れてしまいましたが、「できないことを数えるのではなく、できることを数えて」歩いていけばよいのかもしれません。
自服のお茶が、ほろ苦い夕べ。
また一日が終わろうとしています。