山茶花が咲いた
今週のお題「秋の歌」
庭の山茶花(さざんか)が咲いた。
すると、頭の中に再生されるのは、童謡の「たきび」。
♪さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき
あたろうか あたろうよ
きたかぜぴいぷう ふいている
↑この歌詞が私の中で再生されるのだが、実は少しまちがっている。
正確には、1番の歌詞が
かきねの かきねの まがりかど
たきびだ たきびだ おちばたき
あたろうか あたろうよ
きたかぜぴいぷう ふいている
で、2番の歌詞が
さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき
あたろうか あたろうよ
しもやけおててが もうかゆい
なのだそうだ。
なぜだか、わたしの中で1番と2番の歌詞が合体してしまったらしい。
ともかくも、ああ、北風がぴいぷうと吹く、落ち葉でたき火をするような季節に、山茶花って咲くのだなぁ、、、と、ふと気がついたわけで。
立冬が過ぎ、晩秋から初冬へと移ろい。
紅葉が終わりゆき、庭の色がなくなってゆく中、今度は山茶花の紅色が世界を彩ってくれるのだった。
きっとこんな季節に、数十年前、わたしは生まれた。
今日は誕生日。
またひとつ、歳を重ねて。
若き日に病を得て、ここまで長らえるとは想像だにしていなかったけれど、
一日、一日を生きてきたら、今日ここにたどりついた。
何者にもなれなかった、何者でもないわたし。
ただ一人の、わたし。
山茶花が咲いたことに気づいて、
無常と永遠とに想いをめぐらせ、
世の一隅でひっそりと、今日も生きている。