入院しています
9/29(土)、いまひとつ芳しくない症状が続いていたので、いつも風邪のときなどにお世話になっている近所のクリニックを受診した。
問診、聴診をして、レントゲンを撮ってみると、「紹介状を書きますから、すぐにA病院に行って下さい」と若先生に言われた。
A病院はわたしのかかりつけ専門病院なので、あぁ、やっぱりそちらに行かねばならないのか、と思いながら、とりあえず処方薬とスマホとイヤホンと文庫本一冊だけを携えて、A病院へと向かう。
車で片道一時間弱かかるので億劫なのだが、仕方がない。
A病院に着くとすでに話は通っており、救急処置室に案内され、横になって心電図モニターを付け、渡された薬を一錠口にすると、すみやかに症状がよくなった。
物腰のやわらかい当直の女医さんが、クリニックで撮ってきたばかりのレントゲン画像と、半年前くらいにA病院で撮っていたレントゲンを見比べて、大事をとって一週間くらい入院ですね、と告げた。
詳細は書かないが、ちょっと心臓がヘバってしまったらしい。
そしてそのまま入院となった。
ちょっと、とはいっても、もろもろの体調が絶不調で、体調を5段階で表すなら、完全に「1」。
メンタルも暗黒に落ち、いつかこうやって死んでいくのかと思ったら、いろんな思いが頭をかけめぐって、目をつむるとメダパニの呪文をくらったみたいに混乱した気分になった。
三日間は食欲不振で、利尿剤も投入し、体重が2キロ半くらいストンと落ちてしまった。
まぁ、体重が減るのはよいことなのだが、減りすぎもどうなのか、ということで、利尿剤が軽いものに変更され、心臓の負担を軽くする血管拡張剤が少しだけ新規追加となった。
主治医はあいにく週末のお休みと週明けの出張のため不在で、とりあえずの担当医は、ビジュアルがデスノートばりの夜神月先生(仮名)となった。
目が見え隠れするラフな黒髪、色白で、ニコっと笑顔で、白衣の下はブラックの上下(Vの薄手メリノウールと、ブラックスリムパンツ)で決めている。
看護師さんの評によると「イケメンで人気のある先生ですよ」ということだった。
たしかに爽やかイケメンだ。
しかし、イケメンを目の前にしても、ほとんどテンションが上がらないくらいには病人だった。
四日目の朝、病室に颯爽と現れた主治医先生の笑顔を見て、やっと安堵する。
近年、心臓とは別の症状を自覚していたし、血液検査項目にやや異常値もあったので、そちらもついでに検査となった。
すると、以前同じ検査をしたときにはわからなかった原因が判明することとなった。
原因がわかれば、なにがしかの手だても考えられる。これは入院して幸運だった。
明日はまた別の検査、そして来週火曜にも検査が組まれている。
その結果をみて、今後の治療方針も決定されるだろう。
次第に食欲も復活し、あまり美味しくはない減塩食をほぼ完食できるまでになった今日あたりの体調は「2.5」くらいまで復調。
ふだん気を付けているつもりだったが、病院の食事で減塩レベルを思い知り、家では結果的に不摂生だったということを痛感した。
夕方に病室を訪れた夜神月先生(仮名)から、新規追加した薬にもしばらくすれば慣れるだろうし、体調も落ち着いてきたようだから、検査が済めば退院の方向で、と告げられた。
ホッと胸をなでおろす。
この入院で、これからのことを様々考えさせられている。
こんな時には明るい未来を思い描くことも難しいけれど、一日一日を大切に過ごすしかないのだろうと思う。
慣れない場所でのシャワーと洗髪で少し疲れ、検温で36.9度を計測した微熱未満の熱っぽい身体をベッドに横たえて、スマホを見たり、テレビを見たり、本を読んだりしながら、自宅以上にゆっくりと過ごしている。
さすがに少し、退屈だ。
早く家に帰れる日を願いながら、今日も夜9時のニュースを見たら眠ろう。