【心リハ】心臓リハビリに太極拳はいかが?
昨日の気になるニュース。
米・ブラウン大学での研究で、太極拳が心臓リハビリの代わりになりうるという結果が報告されたようです。
心リハのハードル
アメリカでは、心筋梗塞後患者の六割以上が心臓リハビリを拒むのですって。
(あー、心リハしたくないのってわたしだけじゃなかったのねーー)と、ちょっと安心しました。(笑)
でも、心臓リハビリは重要なのです。
心筋梗塞後の患者さんなどは、ステント留置やバイパス手術を受けられているかもしれませんが、病気の再発を予防するためにも積極的に身体を動かす必要があります(死亡リスクが低下します)。
参加を拒む理由は、リハビリ運動が不快、痛い、不可能だという患者の感情や、リハビリ施設までの距離、高額な自己負担費用など
とのこと。
よくわかります。
大病した後なのだから、できることならゆっくり休んでいたいのが人情。
リハビリ運動が心臓によいことは百も承知だけれど、なんだか「強制労働」みたいな感じがするのですよね。
運動を課せられてる感が強くて。
また、トレッドミル(ランニングマシン)や自転車エルゴメーター(エアロバイク)などの器具を用いた運動を継続する場合、拠点病院などのリハビリ施設まで出向かなければなりません。施設が遠方だと参加が難しくなります。
それから、保険適用期間が過ぎると自己負担が発生してきたりします。
運動に対する心理的抵抗、施設までの物理的な距離、高額な費用といったハードル。
それらを前にして、自分の健康のために、自分の身体と時間(と時にはお金)をどれだけ投資できるか、投資する意識が持てるかどうかが、心臓リハビリの成否にかかわる大きな分岐点となります。
そこで大きなポイントになるのは、その心臓リハビリが魅力的かどうか、楽しいかどうか、ではないでしょうか。
修行みたいな苦役は誰しもしたくありませんが、それが楽しいものなら実行するのも苦ではないでしょう。
だって、〇イザップとか、バリバリ楽しそう(やる気でそう)ですよね。(笑)
心臓リハビリも、楽しめるに越したことはありません。
心リハとしての太極拳
上記の研究で試みられたのが、太極拳です。
中国の公園とかで朝から市民が集まってやってる、あれ。
日本の公民館、体育館などでもクラブやサークルがいっぱいある、あれ。
シニアの健康体操みたいな、あれ。
ゆったりゆるふわ系な、あれ。
心臓リハビリに太極拳、いいかもしれません。
わたしも学生の頃、太極拳の本を買って独学でやってみたことがあります。
その時はダイエット目的だったのですが。
心臓に持病があってもなんとかできそう、と思ったんですよね。
実際やってみると、結構キツかったです。
きっちり型を決めようとしたせいかもしれませんが、ゆったりしたフォームとは裏腹に、下肢の筋肉にかなり負荷がかかるのです。
でも、何か清々しい気分になりました。
一般的な心臓リハビリは無機質で機械的なところがありますが、太極拳はもともとが武道なので一連の動作に意味を見いだすことができます。
愛好者もいて、それなりの楽しさを備えているように思います。
また今でいう、マインドフルネス(心を整える)のような効果もありそうです。
結果的に、心臓のリハビリのために運動するというより、太極拳をしていたら心臓のリハビリにもなった、という感じではないでしょうか。
心臓リハビリは、何より継続することが大切です。
楽しんで取り組めるという点で、運動強度もちょうどよい太極拳は心臓リハビリに適しているのでしょうね。
心臓リハビリは気乗りがしない、なかなか続かないという患者さん、太極拳はいかがですか?
(注)念のため、お医者さんには事前に相談してみてくださいね!