【ペースメーカー】リードレスペースメーカー、本体を心臓内に植え込み
メモ的ニュース。
ペースメーカー:進化 リード線消えて小型に 直接心臓へ植え込み 断線なく、感染も減/毎日新聞(大阪)
ニュースサイト「毎日新聞」/毎日新聞2017年8月27日付地方版(大阪)より。
リード線が不要なリードレスペースメーカーが、9月1日より保険適用となります。
今年2月に薬事承認を取得したメドトロニックのMicra(マイクラ)※だと思われます。
アボットのNanostimは、日本では治験中で未認可のようです?(続報は未確認)
※(参照)
従来型のペースメーカーは、鎖骨下静脈からリードを挿入してリード先端を心房・心室内に留置し、本体は胸部の皮下ポケットに収納します。
進化したリードレスペースメーカーでは、長さ2.5cm、重さ1.75gの本体を心腔内(右心室)に直接留置します。小さい!
電池寿命は約12年。結構タフ!
MRI対応。いいですね!
主に除脈性心房細動の患者さんなど、PMが必要な人の2-3割に適応されるようです。
電池寿命がきて交換する場合、摘出はせずに2個目を追加します。
最大3個入れられるという研究報告もありますが、まだその臨床経験がないことから、1回の交換で済むような70~80歳代以上の高齢者が対象となりそうです。
従来型PMでは、
- リードの断線
- 静脈閉塞
- 皮下ポケットの感染や血腫
などが問題となっていましたが、リードレスペースメーカーではこれらの問題がなくなり、皮膚切開も不要。外見上もPMの存在が分からなくなることから、患者さんの生活の質が向上します。
現時点では、右心室のペーシングのみ(シングルチャンバーのVVIモード)なので、房室ブロックや洞不全症候群のように心房&心室のペーシング(デュアルチャンバーのDDDモード)が推奨される患者さんはまだ適応外のようです。
ですが、今後の研究開発の進歩によって、心房&心室ペーシングや両室ペーシング(右心房&右心室+左心室)も可能となるかもしれません。
将来的に、すべてのPMでリードレスが主流になる日が訪れるといいなぁ、と思います。
期待しています。
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