映画『blank13』を観てきました
先日、映画『blank13』を観に行ってきました。
俳優・斎藤工さんが、齋藤工名義での初長編映画監督を務め、主演には今をときめく高橋一生さん、お父さん役には味のあるリリー・フランキーさんとくれば、食指をそそられないわけにはいきません。
借金を残して蒸発した父と、残された母子三人。
13年の時を経て、病の床にある父の所在がわかり、母と子の思いは・・・という、家族の物語です。
あらすじは公式HPにゆずるとして。
回想によって浮き彫りにされていく家族の過去。
意外なタイミングのタイトルロール。
時に滑稽で、そして切ない、父の存在の意味。
次男役・高橋一生の静かで繊細な表情。
父役・リリーさんの、軽く、しかし確かな存在感。
恋人役・松岡茉優ちゃんの口数少ない芯の通った感じ。おまけに可愛い。
長男役・斎藤工の複雑な感情の機微。
母役・神野三鈴の弱さと強さ、母性と女性。
父の友人役のみなさんのキラリ感。
その他、チョイ役で出ていた人たちのプチ豪華さ。
長編とはいえど、1時間ちょっとの上映時間。
飽きる間もなく抒情に包まれて、最後の主題歌「家族の風景」で泣きそうになりました。
笹川美和 『家族の風景』 ※映画「blank13」(齊藤 工 長編初監督作品/主演:高橋一生)主題歌
ちなみに、『家族の風景』はハナレグミこと永積タカシくんのオリジナル。
原曲が名曲な上に、笹川美和さんのカバーもまたすばらしく、映画と相まって感動です。
さて、この映画の感想をひとことで言うなら、
人の一生を決めるものは、
何を成したかではなく、いかに在ったか、
ではないか。
ということです。
自分自身がいかに生き、また、他者にとっていかなる存在であれるか。
自分が世を去った後、他者の中でいかに生き続けられるか。
そんなことを考えさせてくれる映画でした。
情けなくても、みっともなくても、なんにも成せない人生だったとしても。
かかわった人たちにあたたかい何かをひとつでも残すことができたら、それで十分で、もう言うことはないような気がします。
『blank13』
2018/日本
監督:齋藤工
おすすめ:★★★☆