映画『シン・ゴジラ』を観ました
先ごろ地上波放送をテレビでチラ見して興味を抱いたゴジラ映画。
2016年夏公開『シン・ゴジラ』を図書館で借りてきて観ました。
公式サイトはこちら。
ある日、海上での爆発とともにアクアラインが崩落。謎の巨大不明生物が姿を現し、首都に上陸する。"ゴジラ(Godzilla)"と名付けられた生物の圧倒的破壊力を前に核攻撃が検討実施されようとするが、日本政府は自衛隊やあらゆる攻撃手段を投入し独自の駆逐作戦によって立ち向かう・・・というお話。
チョイばれありつつ、感想をすこし。
まず、シーン展開が速い。
俳優陣の立て板に水のごとき機関銃的台詞回しが続く。
役名、地名、設定、その他のキャプション全部が速すぎて読めない。
最初は一時停止ボタンを押して確認していたのですが、このスピード感の作意を考えればそのまま一気に観た方がいいと気づき、一時停止の確認をあきらめました。
あとは流れのままに身をゆだねます。
そして、ゴジラ。
ゴジラは形態進化していくのですが。
なんか目玉がアホアホ感丸出しで、形態もウーパールーパーっぽくて、かわいい。w
けど、やることは凶暴。
鎌倉に上陸した第四形態で、やっとゴジラ感が出ました。
自衛隊や米軍による攻撃をものともせず、発光し、口や背びれからビームを放出して首都を焼き尽くす様は、まるで巨神兵を彷彿とさせます。
その時に流れるBGMが、なんとなくモーツァルトのレクイエム(鎮魂曲)のようで、哀しく、そして美しく…。
BGMといえば、踊る大捜査線と同じ曲が使われてました!
そもそもこの曲って、アニメ「エヴァンゲリオン」のBGMなんですってね。
「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きてるんだ!」の青島のセリフがよぎりますが、この映画でも〇〇会議とか作戦本部とかいった会議場面、出動場面で流れていたような気がします。両者へのオマージュでしょうか。
最後のヤシオリ作戦。
送り出される第一陣、第二陣の部隊がゴジラの攻撃の前に次々と全滅していく中、作戦は辛くも遂行され、日本は救われた形になりますが。
3.11を経験した日本人には、その後ろにある犠牲の大きさを容易に想像することができるのではないでしょうか。
それに、ラストシーンのゴジラ、これ一体どうするんだろうと思いますね。福島原発が想起されます。
神の化身としてのゴジラ。
災害、戦争、核、汚染、原子爆弾のメタファーあるいはアイロニーとしてのゴジラ。
その前に、なすすべなく倒れた犠牲、また全力で抗い、問題を包摂する現実。
ニッポン(現実) vs ゴジラ(虚構)。
というキャッチコピーに、なるほど、と頷いてしまいます。
さて、俳優陣ですが。
豪華な顔ぶれが次々に登場。ワンシーンにこの人が!というキャストがいっぱい。
内閣官房副長官を演じる主演の長谷川博己が、アップにしてもキリリと申し分なく「映え」ています。
米国大統領特使カヨコ・パタースンを演じる石原さとみは、生意気っぽいキャラが際立ってちょっと鼻に付く感じ。もっと落ち着いたクレバーな感じの女優さんでもよかったかと思いますが、あのキャラ設定と早台詞では誰が演じてもどのみち大差なかったかも。
内閣総理大臣補佐官を演じた竹野内豊は、役としてはそんなものかと思いましたが、最後の方のとあるセリフに、ぐっと来てしまいました。
あー、日本て国はどうしてここまで過酷な歴史を歩んでいるのだろう、と。
ま、日本人としての主観でしかありませんが。
それと、ゴジラはあくまで虚構ですけどね。(^_^;)
そんな訳で、第一形態ゴジラにププッと半笑いを浮かべつつ、最後には予想外にうるっときてしまうといった映画でした。
今までゴジラ映画を観たこともないし、庵野監督の「エヴァンゲリオン」も全く知らないのですが、なかなか面白かったのではないかと思います。
映画に何を求めるかで評価が違うと思いますが、賛否両論、話題になったのも頷けますね。
かなり劇画チックなので、特に男子受け、オタク受け度が高いのではないかと思います。
2016年、日本
キャスト:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、市川実日子、他
おすすめ:★★★